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持続性抑うつ障害(気分変調症・気分変調性障害)について

1.持続性抑うつ障害(気分変調症・気分変調性障害)は治る病気です。

 自分が「元々、自分は暗く憂鬱感を持ちやすい性格だ」と思っていらっしゃる患者さんは少なくありません。
 これは、症状が長期にわたって漫然と続くことが多いため、「性格の問題」と誤解されることも多いのですが、れっきとしたうつ病の一種なのです。
 その症状が21歳以前に始まったかどうかによって「早発性」と「晩発性」に分けられます。「早発性」のほうがより典型的とされており、多くの方が思春期前後に明らかなきっかけもなく発症しているため、本人も「性格の問題」と誤解していることが多いことが特徴です。病気だと認めることを、自分の無能や怠惰を正当化しているように感じる人もいるのですが、これも持続性抑うつ障害の感じ方です。つまり、性格ではなく病気なのです。

2.持続性抑うつ障害の症状

 大うつ病の診断基準を満たすほど程度は酷くないものの、慢性的に抑うつ気分、食欲減退、イライラ、意欲の低下、集中力の低下などの症状が二年以上続きます。
 何かを達成することがあっても、それを「たまたま」と解釈し、「自分の本当の実力がばれないように」と、うつ状態で気力が落ちているにも関わらず、さらなる努力を積み重ねることもあります。うまくいかないことがあれば、「やっぱり自分はだめ」と絶望感にさいなまれます。このように、持続性抑うつ障害になると、あらゆることを「自分をいじめるような形で」とらえるようになるため、何をやっても自分を肯定できない悪循環に陥ってしまいます。

3.持続性抑うつ障害の人が抱えやすい困難

  • 自分を「欠陥人間」と思っているため、「自己主張」ができない。
  • 怒りの感情を持つことを「未熟な証拠」と誤解しているため、怒りを適切な形で表現することが苦手。
  • 相手が自分の感情や事情を他人が察してくれるのを待つ。
  • 自分のことを他者に伝えるのが苦手なため孤立しがち。

4.持続性抑うつ障害の治療

 うつ病の一種ですので、うつ病の治療と同様の手続きとなります。
 まず自分の症状を「性格の問題ではなく、病気である」ということをゆっくりとでも良いので受け入れる努力をしていきます。そして、どんな時にその症状が出やすいのかを分析していきます。
 分析の結果、「症状が出やすいのはどんな時か」という傾向が分かったら、その時の状況に応じて、必要なことに少しずつ取り組んでいきます。必要なことは、自分の気持ちを伝えるように練習していったり、自分を傷つける思考が出てきた時にその思考の妥当性を検討したり、というようなことです。
 このようにして、自己を表現したり、自己を守るような考え方を身につけていくことで、達成感を得ながら自分の人生を切り開いていく感覚を身につけていくと、病気の症状が緩和していくことが期待できます。
 また、お薬を使った治療を行うことも当然のことながら効果があります。当院では、薬物療法だけでなく、対人関係療法、認知行動療法での治療を受けることができます。

5.ご家族や職場の方など、身近な方へ

 本人はつい、「やはり病気ではなく性格の問題だ」と誤解してしまうため、周りの人は毅然とした態度で、「病気の症状なのだ」ということを言ってあげてください。「病気ということは治療をすれば治るということだ」という希望を与えることは、何をやっても自分を肯定できない悪循環から脱する効果を持つからです。
 また、「病気を抱えている“のに”がんばっている」というような本人の努力を肯定するほめ方をして上げてください。“のに”という言い方は、病気と人格が明確に区別されているため、治療的な効果があります。本人は怠けているわけでは決してなく、24時間ずっと病気と向き合い、それを治す為の努力をしている、という風に考えてあげていただきたいと思います。
 本人だけではなく、身近な方の持続性抑うつ障害への理解が深まれば、重篤化予防への工夫ができたり、必要以上に自己肯定感を低下させずに済むことが出来ます。